研究論文

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研究関係の著書「AIモデルによる教科教育学の再考」

本書は、ニューラルネットワークを主としたAIのモデルをもとに、学習者の知識や思考について分析を行い、その結果から教材や授業展開、教科教育研究を含めた研究の方向性について示したものである。具体的な事例としては、自然を対象とした理科教育に関する認識や思考を取り上げている。これまでは言葉での定義でしかなかった表象をAIモデルの特徴量検出によって表現し、教育的な示唆を得たところに研究の特徴をあげることができる。認識や論理の状況依存、概念、概念転換、汎化、転化、論理的思考、直観的思考などについて、AIモデルの特徴量検出の視点から新たにその特徴や仕組みについて考察し、新しい教育論を展開している。現代の教育においては、社会的諸問題に対応できる能力の育成が極端に重視されている点を問題として指摘し、人間の認識や思考の特徴といった基本に立ち返って、教育研究を行う必要性を提案している。教科教育論や教育実践について、新しい視点からの研究を求めている人に参考になる本である。
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学力・学習状況調査の分析関係
○「学力と学習状況の関連を分析するシステムの開発」金沢大学人間社会学域学校教育系紀要,15号,2023,1-8
一般的なペーパテストの得点と評定尺度で回答した学習状況の関連を分析するシステムの開発を行ったものである。学力に関わる学習状況の項目を明らかにして、学習状況の改善から学力の改善を図ることを目的としている。
○「学力と学習状況の関連を分析する方法の基礎研究金沢大学人間社会学域学校教育系紀要,14号,2022,1-7
学力調査と評定尺度で回答した学習状況調査の関連を自己組織化マップを用いて分析するシステムの妥当性について、従来の統計的な分析法と比較して検討している。その結果、開発している分析システムの妥当性が明らかになった。
○「学力と学習状況の関連を分析するシステムの開発 」 金沢大学人間社会学域学校教育系紀要,15号,2023,1-8
学力調査と評定尺度で回答した学習状況調査の関連を自己組織化マップを用いて分析するシステムの開発を行い、その操作方法を示すとともに、実際の分析事例からシステムの有効性について示した。
自由記述評価・描画評価関係
○「理科学習における観察スケッチの評価を支援するシステムの開発」日本教科教育学会誌,第42巻,第1号,2019.6,57-63
 生徒の観察スケッチを自動的に分類するシステムです。分類に用いるフィルターの特徴から,観察の際の指導上の留意点についても考察しています
○「理科における自己組織化マップを用いた描画の評価」金沢大学人間社会学域学校教育系紀要,12号,2020,1-6
 気孔のスケッチを自動的に分類したものを教師によって評価してもらい、その結果をもとに新しいスケッチを分類に位置づけて,自動的に評価するシステムの開発を行ったものです。
○「科学的記述内容の評価システムの開発」金沢大学人間社会学域学校教育学類紀要第4号,2012,43-49
 自己組織化マップを用いた自由記述評価システムのデータの分析の方法を示したものです。TIMSS2007のデータを用いています。
○「科学的記述内容の評価システムの開発(2)」金沢大学人間社会学域学校教育学類紀要第5号,2013,65-71
 自己組織化マップを用いた自由記述評価システムの全体の説明と利用事例です。TIMSS2007のデータを用いています。
○「理科における動画を用いた自由記述課題の自動評価システムの開発」金沢大学人間社会学域学校教育系紀要,9号,2017,1-7
 自己組織化マップを用いた自由記述評価システムを発展させ、理科の記述問題を動画によって示す独自の問題を作成しています。動画問題については本サイトの「理科授業」に示しています。
○「継続的自己評価のための分析システムの開発と活用」金沢大学人間社会学域学校教育系紀要,12号,2020,(共同執筆:松原道男・兵地梓)
 継続的自己評価の達成度の曲線について類似性を自己評価マップによって表示するとともに、自己評価の高低を色分けによって示すシステムの開発をおこなうとともに、その活用事例について示しています
理科授業・自然認識分析関係
○「学力と学習状況の関連を分析する方法の基礎研究」金沢大学人間社会学域学校教育系紀要,14号,2022,1-7
 自己組織化マップを用いて学力と学習状況調査の関係を分析する方法について、従来の統計処理との違いや妥当性について検討しています。
○「自然事象の理解におけるイメージのはたらきの分析」金沢大学人間社会学域学校教育系紀要,13号,2021,139-147
 電気回路に流れる電流のイメージについて調査を行い、複数の矛盾したイメージをもっていること、複数のイメージや論理的手続きによる判断については優先順位が見られることなどを明らかにしています。
○「深い学びのための理科の授業設計と指導法」金沢大学人間社会学域学校教育系紀要,10号,2018,1-10
 理科における深い学びについて、人工知能の知識や思考の考え方および科学的な見方・考え方から論じ、具体的な授業設計についても例をあげています。
○「教科教育学の研究課題と今後の方向性」金沢大学人間社会学域学校教育系紀要,11号,2019,1-8
 教科教育の研究のあり方について、人工知能の知識や思考の考え方から論じています。教科教育が必要であることや、教科に通じる研究は可能かどうかついても論じています。
○「自己組織化マップを用いた理科授業分析法の開発」金沢大学人間社会学域学校教育学類紀要第2号,2010,37-43
 中学校の「圧力」に関する同じ授業場面を対象に、2人の教師の発話を比較分析しています。
「自己組織化マップと連想記憶モデルによる生徒の大気圧の関する知識構造の分析」金沢大学人間社会学域学校教育学類紀要第6号,2014年,9-17(共同執筆:松原道男・兵地梓)
 中学校の大気圧に関する生徒の記述内容から理解の実態を明らかにするために,自己組織化マップとホップフィールドモデルの両方で分析した研究です。
○「理科教育における連想記憶モデルの活用」金沢大学人間社会学域学校教育学類紀要,7号,2015,1-11
 キーワードによって、科学的な説明を想起するために、ホップフィールドモデルで関連語句を想起させ、自己組織化マップで科学的説明を抽出する方法を提唱しています。中学校の気象に関する単元を例にあげています。
○「理科教育における連想記憶モデルの活用(2) : イメージ表現による学習評価および授業設計」金沢大学人間社会学域学校教育学類紀要,8号,2016,1-8
 キーワードによって、科学的な説明を想起するために、ホップフィールドモデルで関連語句を想起させ、自己組織化マップによりイメージを表現する方法を提唱しています。中学校の電気回路に関する単元を例にあげています。
科学研究費報告書
〇「カリキュラム・マネジメント のための学力及び学習状況分析システムの開発」H31-R3年 度科学研究費補助金・基盤研究(C)
 学力と学習状況の関係を自己組織化マップによって分析する方法を提案しています。分析システムもダウンロードして利用できます。
○「自己組織化マップによる観察・実験における科学的思考力と表現力の育成システムの開発」H25-27年度科学研究費補助金・基盤研究(C)
 理科の観察実験の動画課題に対する回答を,自己組織化マップによって自動で評価するシステムの開発です。
○「自己組織化マップによる子どもの科学的表現能力の評価法の開発」H22-24年度科学研究費補助金・基盤研究(C)
理科の自由記述の問題を自己組織化マップによって自動で評価するシステムの開発です。
○「子どもの科学的表現力の育成を図る評価法と授業分析法の開発」H19-21年度科学研究費補助金・基盤研究(C)
 理科授業における教師の発話や子どものワークシートへの記述内容を自己組織化マップによって分析するソフトを開発し,それを用いて授業分析を行った研究です。
○「理科授業支援システムの開発」H14-16年度科学研究費補助金・基盤研究(C)
 理科のいろいろな授業場面において,参考になる教師の指導技術の映像を視聴できるビデオの開発を行ったものです。
その他
○「自己組織化マップによる自由記述交流システムの開発」金沢大学人間社会学域学校教育学類紀要第6号,2014,1-8
 自分の考えをweb上に自由記述して、自己組織化マップにより、同じような 記述内容が近くにくるように整理され、クラスにおいてお互いが見ることができるシステムの開発と活用例です。
○「タブレットを用いた学習交流システムの開発」金沢大学人間社会学域学校教育学類紀要第2号,2010,45-52
 タブレットを用いた描画の交流システムの開発です。自己組織化マップによる類似性の表示ができるようにしました。