研究プロジェクト2006−2009(中学生まで)

「高機能広汎性発達障害をもつ子どものコミュニケーション能力は

どのような会話の中で育つか:語用障害の補償」

 

2002年から2005年まで実施した研究プロジェクト「高機能広汎性発達障害へのコミュニケーション支援」では多数の保護者や先生方のご協力をいただき、まことにありがとうございました。

 

私事で恐縮ながらしばらく病気で休職するなどしたため、このプロジェクトは満足の行く形で完了することができませんでしたが、「コミュニケーションの難しさを語用論の視点から分析し」、「コミュニケーションの実態に即して支援の具体策を提案すること」、「それらを整理して支援の指針を得ること」の3つの目標はある程度まで達成することができました。

 

 研究成果の一端はJournal of Multilingual Communication Disorders誌上で公開(Oi,2005) し、内外から関心を寄せていただいています。コミュニケーションの困難を語用障害のさまざまなタイプとして把握し、それに対して保護者や教師がどのように対処しているかを検討した結果、3つのことがわかりました。まず1つは、大人が会話の中で子どもの語用障害を補償する働きかけをし、コミュニケーション困難を解決していることです。2つめは、補償をあきらめるケースがあり、また補償を試みてもうまく行く場合といかない場合がある等大人の個人差が大きかったことです。3つめは、ビデオ分析による会話支援を経験すると語用障害の補償が促されるケースがあったことです。

 

 プロジェクト2006−2009は、この結果に基づいて、次の2つの課題に取り組みます。

@ 子どもの語用障害の補償は中長期的に、コミュニケーション能力の発達にどのような影響を与えるか?

A ビデオ分析を用いた大人に対する会話支援は語用障害の補償を促進するか?

 

 会話の中で語用障害の補償がうまくいくとコミュニケーション能力の発達につながることが期待されます。

 ビデオ分析を用いた大人に対する会話支援は、語用障害の補償をより効果的に行えるよう促すことが期待されます。

 

 2006年から4年かけて、大人との会話を追跡し、合わせてその間の子どものコミュニケーション能力の発達を追跡します。そのプロセスではビデオ分析による大人への会話支援を行います。プロジェクトへのご参加をお待ちしています。詳細は以下をご覧下さい。

 

 

 

 

 

 

 

プロジェクト2006−2009の進め方の詳細

(下の図をご覧下さい)

 

1)            年に1回、親子会話のビデオをとらせていただきます

2)            そのビデオの一部を分析し、語用障害の補償方法を提案します(ご面倒なら省略可)

3)            場所は、金沢大学のプレイルームまたは各ご家庭

4)            ビデオは研究実施者が撮影します

5)            比較対照で同学年のお友達をご紹介いただけると助かります。4年間のうちに1回だけ親子会話のビデオをとらせていただきます。

6)            お友達にはわずかですが謝礼を進呈します

7)            「語る力」の研究と合併で実施します